2日目の白鳥

おはようございます、と朝の講堂へ。あ、何かが違う、と思った。ワークショップの参加者の人は昨日と違うはずなのに、今日はもうまるい空気ができている。あ、そうかスタッフの人たちと昨日一日やってみて、今日はわかってくれてる人がまわりにいるからだ。

ちょっと体をほぐしてから、白鳥観察へ。今日は東京から知り合いの建築家さんも来てくれた。おばあちゃんと孫、お母さんと小さな兄弟など昨日よりさらに多彩な顔ぶれ。まず多々良沼で、間近でコブハクチョウを見る。最初はざわざわおしゃべりしていたが、ふと気づくとみんな静ーかになって、それぞれじーっとハクチョウを見てはカードに何やらかいている。その後ガバ沼ではハクチョウの子どもを見る。灰色のちょっと薄汚れたみたいなのが子ども。大人になると白くなるなんて人間と反対。

午後はダンスづくり。昨日と少し内容を変えたウォームアップ。広い部屋でたくさん動いたあと、グループごとでダンスをつくり始める。8歳の男の子が素晴らしい振付力を発揮。止まるタイミングや声の長さが絶妙。ワークショップをやっていて本当に良かったと思うのはこの瞬間。ここにいた人しか見ることはできない、いま生まれた何かを見ること。いつでも生まれるわけでもない。そんなに量産できるものでもないから。その日に来ていた人のみんなの空気やそれぞれのつくったダンスや、天気や温度や見えたもの、そしてもちろんそれを作り出した人のそれまでしまっていたものや、いろいろなものが重なってたまーに生まれる。でも、確かにかけがえのないものが生まれる瞬間があって、それを見ることができる限り、未来は大丈夫と思ってしまう。

白鳥ダンス振付中        ダンスのあと展示室で